「Diginnos DG-STK3」の熱対策

PCなどのデバイスを使う上で避けて通れない熱問題について考えてみます。

熱問題は
1.電子部品が高温下に置かれることで寿命が縮む
2.熱勾配(寒暖の差)の結露などによるサビ
が主な原因と思います。

電解コンデンサなどの半導体は温度が10度上がると寿命が半減すると言われますが、明確な数値がないと分かりづらいので、ここではT-Junctionを指針にしたいと思います。

base on ASCII.jp:パソコンがうるさいと思ったときの「最高動作温度」 (1/2)|ぱそぢえ~3分で分かるPCの基本
2008年10月17日 18時00分更新

最高動作温度の種類
T-Junction CPU内部のコアの温度
T-Case コア表面に装着されている金属製プレート(インテグレーテッド・ヒート・スプレッダー)の中央部分の温度
T-Sink CPUとヒートシンクの接触部中央の温度
T-Ambient ヒートシンク上の空気温度

T-Junctionは、ARK(インテル製品の仕様情報源)で公開されています。
また、Windowsであれば「OpenHardwareMonitor」、Linuxであれば「Xsensors」でリアルタイム測定が可能です。

タイトルに掲げた「DG-STK3」ですが、ファンレスのスティックPCです。
サイズも(約112(W)×36(D)×11.5(H)mm)と超小型のため、居間のTVで使うために購入しました。
あえてファンレスにしたのは音楽鑑賞に使用するためです。

メインはAIMP3を使用して、動画(MPEG4やYouTubeなど)の再生にはVLCやFirefoxなどを使用しています。

以下、実際に使ってみての所感

外気27度程度の環境でMPEG2やMPEG4の動画ファイルをVLCで再生すると30分も経たずにクロックダウンして、再生がおぼつかなくなります(YouTubeでも同様)。
ファンなどで風を当ててあげれば連続再生可能だったのであまり気にしていなかったのですが、先日MicroSDカードが故障しました。
動画再生時に常時80度前後を記録していたので、熱による故障と判断しました。
(microSDにもストレスマイグレーションとかあるんでしょうか?)
ちなみに、少しでも温度を下げるためにターボブースト機能はBIOSでOFF・内蔵Bluetoothはデバイスマネージャ上から無効にしています。

今スティックPCを検討されている方は、ファン内蔵タイプの購入をお勧めしますが、ファンレスタイプを購入した私の対応記録を残したいと思います。
なお、比較対象としてデスクトップPC、ノートPCそれぞれ1台ずつピックアップしています。
参考になれば幸いです。

Diginnos DG-STK3

基本スペック

  • CPU:Atom Z3735F @ 1.33GHz(up to 1.83 GHz、物理4コア、HT無し)
  • SDP:2.2W
  • T-Junction:N/A

Z3735FについてT-Junctionは公表されていませんが、80度近くになるとクロックダウンが始まるのでBIOSを確認してみました。

BIOS設定
CPU Configuration
- [Advanced]-[Thermal Configuration]
"Critical Trip Point"で「POR」が指定してあり、"Passive Trip Point"に「79度」が指定してあります。
PORは"Plan of Record "の略と思われ、"Passive Trip Point"に指定している温度に達したらクロックダウンし、チップを保護する仕様のようです。

稼働中のスティックPCに触れると、上部・下部(背面)の両面が熱くなっていることを確認しています。
追加投資を避けて最大の効果を出すために、ケース背面を撤去しました。

・上部

CPU Configuration
CPU Configuration

黒いヒートシンクが見えます。上面排熱口の真下にあたる場所です。
ヒートシンクを外すとAtomとメモリが見えます。 なお、グリスではなく熱伝導シートが使用してありました。

・下部(背面)

CPU Configuration

放熱版の下にメモリやチップがあります。
その写真は撮り忘れましたが、こちらにも熱伝導シートが使用されていました。

基本的には、CPUのある上部にヒートシンクを増設するのが望ましいですが、サイズの関係上今回は背面にヒートシンクを取り付けました。
なお、再利用(元に戻すなど)等を考慮して接着系はできるだけ使用を避けています。

CPU Configuration

上面奥に見えるのがUSB HUB、下にあるのが2.5HDDです(ヒートシンクの熱がHDDに移動するのを防ぐためゴム足で空間を作っています)。
CPUのヒートシンク、及びケース上面はそのままです。
煙突効果というか自然対流にまかせています。

CPU Configuration
CPU Configuration

結果、ファンレスで70度前後まで冷やすことができたので、しばらくこれで運用する予定です。
ちなみに手で触れると、下部のヒートシンクに熱が移動していることがしっかりと確認できました。
(今まで触れるのを躊躇するほど熱かった上面(メッシュ部分)も熱を帯びているものの効果を実感できます)。

Lenovo G530

基本スペック

  • CPU:Celeron T1600 @ 1.66GHz(物理2コア、HT無し)
  • TDP:35W
  • T-Junction:100度

2009年に発売された15.4型ワイド液晶、重量2.75kgの室内用エントリーモデルです。
現在は、Windows10 Pro 32bit版で使用中です。
Windows7 Ultimateからの無償アップグレードで、以前はVMWare Server 2.0を運用していましたが、アップグレード後にVMWareが起動しなかったので別PCのVirtualBoxに移行、本機は(自宅で数少ない32bit版なので)動作検証用や古いアプリケーションで使用しています。
また、動画再生支援対応のGMA4000(Mobile Intel 4 Series Express Chipset Family)を積んでいるのでブルーレイの再生にも使用しています。

DG-STK3と同様の環境(室温27度の環境下、Firefox(47.0)で30分間YouTubeの480p動画をフルHD全画面再生)のCPU温度を測定したところ、80度近くまで上昇していました(78-79度)。
気になって通常使用時の温度も測定したところ、80度前後でした。

CPU Configuration

SpeedStepにも対応していないため、常にフル稼働&もちろんクロックダウンも起こりません。
常時、ファンが排熱していますが、本機ではこの温度が当たり前のようです。

なお、このレベルのCPUでもWindows10の稼働はできますが、Windows Updateに時間がかかるため、メインで使用される場合はやはりWindows7で止めておいたほうが良さそうです。