2024年以降は電話回線を使用したEDIが使えません

全国銀行協会は全銀プロトコル(全銀協標準通信プロトコル)のベーシック手順とTCP/IP手順のサポートを2023年12月末で終了するとセンセーショナルな発表がありました。

そもそも全銀プロトコルって何?

全銀協標準通信プロトコルによると「企業・銀行相互間のオンラインデータ交換における通信手順」です。
一言で言うと、EDI(電子データ交換)で使う通信規約ですね。

全銀プロトコルは、以下に大別されます。

  • 一般公衆電話網またはISDNを適用回線とする「ベーシック手順」、「TCP/IP手順」
  • IPを利用する回線を適用回線とする「TCP/IP手順・広域IP網」

このうち、「ベーシック手順」と「TCP/IP手順」のサポートを2023年12月末で終了することが発表されました。

何が廃止になるの?

つまり、EDI以外にも影響します

事の発端は、「電話交換機の保守部品減少などにより公衆電話網を維持できるのが2025年頃が限界です」とNTT東日本・西日本から発表があったことによります。
PSTNは、主に音声通信用の回線サービスで、電話回線(アナログ回線)だけでなくISDNも対象になります。
なお、ISDNのディジタル通信モードについては、(他のサービスよりも早く)移行作業の始まる2024年1月に終了します

ISDNには以下の3つの機能があり、モデム以外にもFAXやPOSレジなどに使われています。

  • 通話モード
    オーディオチャネル
    TAを利用することで"INSネット64"1回線(1本のRJ-11)から電話回線(番号)が2つ取得できて便利でした。
  • ディジタル通信モード
    データ通信チャネル / 回線交換網
    今となっては懐かしい64Kbps/128Kbpsのデータ通信が有名です。
    (ディジタル信号の周波数帯域をアナログ回線の周波数帯域内に収まるようにモデムで変調して通信する)
  • パケット通信モード
    データ通信チャネル / データ通信網
    こちらはNTTコミュニケーションズが提供しているパケット通信サービスです。

移行に伴う緩和策

ただ、企業で長い間使われてきたシステムなどでは、どこで使われているのか・そもそも使っているのかを調査するのにも時間がかかります。
加えて、規模が大きくなると置換するにも時間・費用がかかります。
そういう事情も鑑みて(いきなり使えなくなってしまうと困るので)、既存のISDN対応端末を継続利用できる「メタルIP電話上のデータ通信」が2024年初頭に登場する予定となっています(接続互換性は検証済み)。
これで、結果的に猶予期間が延びることになります。

ただ、この"メタルIP電話上のデータ通信"では、ISDN → IP変換で生じる遅延を考慮する必要があります。
伝送ブロック長が短いほど・伝送速度が速いほど遅延の増加割合が大きくなる傾向があり、レスポンス重視のシステムでは実用に耐えない可能性がある模様です。
どのような場合に問題が顕在化するかというと、1回のデータ送信が多い場合です。
月末の締め処理などで時間通りにデータ送信が完了しないなどが考えられます。

今、2017年末なので2023年末というと、6年あります。
企業によってはインターネットEDI(要はCSVやXML等)に移行していますが、移行が完了していない場合は早々に予算組みをして対応しないと担当者は土壇場で冷や汗をかくことになりそうです。