Bluetoothを改めて整理してみました

実はBluetoothが苦手です。
正確には、苦手意識と言ったほうが良いと思いますが。

というのも、今年の2月までBluetooth機器を触ったことがなかったんです(Class1のBluetoothアダプタは飛びが違う)。

時代錯誤的ですが、どうも無線というのが信じられなくて (●゚Д゚)ノ
流石に無線LANは使っていますが、Bluetoothは出始めの印象があまり良くないこともあって避けていました。
やっぱり有線が確実でしょう・・・と。
※後発のBluetoothが無線LANの2.4GHz帯と干渉して切断・速度低下の問題がありましたが、Bluetooth Ver1.2で2.4GHz帯域の無線LAN(11g/b)との干渉対策が盛り込まれ、改善されている模様です

base on https://ja.wikipedia.org/wiki/Bluetooth

Bluetoothと2.4GHz帯の無線LAN(Wi-Fi)は、ISMバンドで周波数帯を共用する。
そのため相互干渉・混信が起こり、Bluetooth使用時に無線LANの速度が著しく低下するという問題が起こることもある。

積極的にBluetoothを利用するために整理する

概要

デジタル機器用の近距離無線通信規格の1つ。
以前は、どの携帯電話にも"IrDA DATA"が搭載されていましたが、それも近距離無線通信規格です。
"IrDA DATA"自体は通信距離が30cm〜1m程度と短いうえ、赤外線通信のため指向性が強く通信の開始〜完了するまで接続を維持するのが面倒くさい、という欠点がありました。

base on https://ja.wikipedia.org/wiki/Bluetooth

当初は赤外線短距離通信であるIrDAの完全置換えという誤った認識で普及が試みられたが、使いにくさが強調され、普及の妨げとなった。
しかし現在では(赤外線通信と比較して)指向性の少ない、簡易なデジタル無線通信としての利便性が認識され、多様な分野で普及が進んでいる。

Bluetoothは、無線接続の状態を意識せずに常時接続したままでの使用状況に適している。反対にIrDAは、意図して接続するのに適している。これらは互いを補完している。

それに比べ、Bluetoothは無線LAN(11b,g,n)と同じ2.4GHz帯の電波を使用するため、さほど指向性を気にしなくても利用できるようになっています。
※電波はガラスや陶器は通り抜けますが、金属やコンクリートでは反射します

規格

内容 説明
規格名 IEEE 802.15.1
使用周波数帯 2.4GHz帯
用途 数mから数十m程度の距離の情報機器間で使用
通信方式
(<= bluetooth 3.0)
Bluetooth Basic Rate/Enhanced Data Rate
(BR/EDR)
通信方式
(>= bluetooth 4.0)
Bluetooth Low Energy
(BLE)

通信方式詳細

通信モード 略称 伝送速度 Support チャネル数
BR Bluetooth Basic Rate 1Mbps <= Bluetooth 3.0 80MHz
EDR Enhanced Data Rate 2M/3Mbps <= Bluetooth 3.0 80MHz
HS Bluetooth High Speed 24Mbps = Bluetooth 3.0
LE(BLE) Bluetooth Low Energy 1Mbps >= Bluetooth 4.0 40MHz

Bluetooth も Wi-Fi も同じ2.4GHz帯を利用する

電波干渉問題
Wireless 送信出力 結果
Wi-Fi 15dBm(30mW) 前後 チャネル内にBluetoothの電波が入ると、一部のサブキャリアが崩れる
Bluetooth
(Class2)
4dBm (2.5mW) 以下 ホッピング通信しているなかでWi-Fiチャネルと衝突したフレームが消える

基本的には、送信出力の小さい"Bluetooth"が負けることになります。
また、仕様上の性能低下度合いの目安は以下のとおりとなります。

  • Wi-FiとBluetoothが衝突すると、Wi-Fi はパケット損失を検出し送信レートを落とす(シンボル冗長度を上げ、変調精度を下げる)ため性能微減
  • Bluetoothは損失したパケットをタイムアウトで検出し再送する(このとき FH(frequency-hopping)によって以前衝突したのとは違う周波数で再送される確率が高い)ので性能大減というような影響となって現われます。
    ※Wi-FiとBluetoothの共存問題は両者が登場した90年代から問題視されており、"Bluetooth 1.2"において干渉を軽減する技術AFH(Adaptive Frequency Hopping)が導入されました。
    ※AFHは、Bluetoothパケット消失が頻発するチャネルを検出し、そこを使わないように「飛ばして使う」ようにすることで「Wi-Fi の占有チャネルを回避したホッピングパターン」、いわば喧嘩しても勝てない相手に道を譲ることでWin-Winの関係を目指したものと言えるのではないでしょうか
    ※"frequency-hopping(FH)"は、周波数を一定の規則に従い高速に切り替え、送受信機間で通信を行うスペクトラム拡散の一方式

とはいえ、干渉に強くなった

Bluetooth 1.2から採用されたAFH(Adaptive Frequency Hopping)機能によって、他の無線規格より比較的干渉に強いと言われています。
無線LAN、コードレス電話、電子レンジなどBluetoothと同じ2.4GHz帯を共有するデバイスが周囲で一定の周波数を占有していても、それらのデバイスが使用している周波数を自動的に避け、自身は同じ帯域内で空いている周波数を使用することで安定した通信を確保します。

初期設定

Bluetoothでは使用前に対応機器を予めペアリング(親機と子機とを接続し設定情報を登録)しておく必要があります。
なお、ペアリングは原則として初回のみでOKです。
※規定の台数以上ペアリングした場合は古い情報から消えていく、等があるので注意

ペアリング方法

  1. 親機から見える(検索できる)ように、子機をペアリングモード(信号発信)にする
  2. 親機もペアリングモードにし、信号を発信している子機を検索する
  3. 親機が子機を検出したら情報登録を行う
    ※接続時に以下パスキーを求められます

パスキー

主な機器 パスキー
キーボード 親機デバイスの画面上に表示されるパスキーを利用
マウス 基本的にパスキーは不要
イヤホン ほとんどの場合パスキーは「0000」

接続可能台数

基本は1対1

原則として、接続できる機器は1台(1対1)での接続になります。
これは、以下のBluetoothの仕様に因るものです。

  • 1台のデバイスに同時接続できるBluetooth機器の総数が7台まで
  • 使用できるプロファイルは、1度に1種類まで

つまり、Bluetooth機器は最大7台まで接続可能だが、各々が異なるプロファイルを用いる必要があるため、実質1台までの接続となります。
※"音楽再生=A2DPプロファイル"のように関連付けされているため、2台以上で接続するには以下のマルチ***機能が必要

1対N

マルチペアリング(複数台登録)

対象のBluetooth機器に、複数のBluetooth機器のペアリング設定を登録しておくことを指します。
※同時接続ではないため、ペアリング済みデバイスの電源が複数同時に入っている場合、基本的に最も新しいペアリング情報のものと接続します

マルチポイント(複数台同時接続)

Bluetooth機器を同じプロファイルで同時に接続できる機能を指します。
※通話で1台、音楽で1台など、別のプロファイルで同時に接続することはマルチポイントではありません

バージョン

Version 主な特長
1.1 普及バージョン。
1.2 2.4GHz帯域の無線LAN(11g/b)との干渉対策が盛り込まれた。
2.0 「EDR」対応なら1.2の約3倍のデータ転送速度(最大3Mbps)を実現。
2.1 ペアリングが簡略化。
マウスやキーボードのバッテリ寿命を最大5倍延長できるSniff Subrating機能(=省電力モード)が追加された。
3.0 従来の約8倍のデータ転送速度(最大24Mbps)を実現。電力管理機能を強化し省電力化。
4.0 大幅な省電力化を実現する低消費電力モード(BLE)に対応。BLEは通信速度1Mbps。
4.1 MVNOとの電波干渉を抑える技術の他、データ転送の効率化、自動再接続、直接インターネット接続、ホストとクライアント機能の同時提供が追加。
4.2 BLEに以下を追加
・"Data Packet Length Extension"を追加し、パケットサイズ10倍で2.5倍の転送速度を実現
・"低電力IP(IPv6/6LoWPAN)"でのインターネット接続機能

最大の電波到達距離

Class 電波到達距離
(見通し最大距離)
規格上の
電波強度の上限
日本の電波法
上の上限
備考
1 100m 100mW 50mW
2 10m 2.5mW 普及している
3 1m 1mW

※上記通信距離は目安の数値です。製品や通信環境により、通信距離は増減します。
(上限が5mWの製品も30mWの製品も(2.5mWを超えるため)同じClass1に分類されますが出力に違いがある分、通信距離も変わってくると考えられます)
※距離が長くなるほど消費電力が上がります
※電波到達距離は下位互換

主なプロファイル

Profiles プロファイル名 機能
DUN Dial-Up Network Profile 携帯電話・PHSを介してインターネットにダイヤルアップ接続
FTP File Transfer Profile パソコン同士でデータ転送
HID Human Interface Device Profile マウスやキーボードなどの入力装置を無線化
OPP Object Push Profile 名刺データの交換などをおこなう
HSP Headset Profile ヘッドセットを無線化
HFP Hands-Free Profile 車内やヘッドセットでハンズフリー通話
A2DP Advanced Audio Distribution Profile ヘッドフォン・イヤフォンを無線化
AVRCP Audio/Video Remote Control Profile AV機器のリモコン機能
以下、Bluetooth 4.0 以降
BAS Battery Service Profile バッテリー残量情報を提供
FMP Find Me Profile 見失ったデバイスを探す
TIP Time Profile 時刻の修正
ANP Alert Notification Profile 音声/メール着信を通知
PASP Phone Alert Status Profile 電話着信を通知
GATT Generic Attribute Profile 一般属性プロファイル(省電力Bluetoothで、属性情報の交換に用いる)
HOGP HID over GATT Profile 低消費電力で機器を接続
SPP Serial Port Profile Bluetooth機器の仮想シリアルポート化
HCRP Hard Copy Cable Replacement Profile ファイルの印刷・スキャン
BPP Basic Print Profile プリンターへ転送、印刷
BIP Basic Imaging Profile 画像の送受信・印刷
PAN Personal Area Network Profile Bluetooth経由でネットワーク接続
VDP Video Distribution Profile ビデオデータをストリーミング配信
PXP Proximity Profile 接続機器間の距離をモニタリング(置き忘れの確認などに有効)

※対応プロファイルは、Bluetoothのバージョンのみではなく、OSやドライバでサポートされている必要もあることに注意

互換性

Bluetoothは2つの通信方式(BR/EDR, BLE)がありますが、互換性がありません。
Bluetooth規格の互換性を分かりやすくするためにブランド名があります。

ブランド名

Bluetooth SMART

Bluetooth SMARTブランド製品では、"Bluetooth 4.0"で仕様に追加された低消費電力通信規格"Bluetooth Low Energy(BLE)"を使用した通信が可能です。

メリット

従来のBluetooth規格に比べて消費電力を約1/10まで削減できる点が活路を見出したと言っても過言ではないでしょう。
BLEの登場で、小型デバイス(リストバンド・歩数計など)への利用が広がりました。

なお、主にBLE(Bluetooth SMARTブランド製品)が搭載されるデバイスは、"小型である"ことや"搭載バッテリ容量が小さい"などを特徴とした商品カテゴリと考えられるため、上記リストバンド・歩数計などのクライアント側の機器での採用が多い傾向にあります。

注意点

通信方式が"BR/EDR"の従来のBluetooth(<= Bluetooth 3.0)とは互換性がありません(接続不可)

Bluetooth SMART READY

Bluetooth SMART READYブランド製品は、以下の要件を満たし従来のBluetoothと互換性を持つものを指します。

  • Bluetoothの通信チップがデュアルモード対応のICチップを搭載
    従来の"BR/EDR"と"BLE"両方に対応している
  • OSがBluetooth SMART READYに対応していること
    ソフトウェア的にプロファイルをダウンロードし適用できる仕組みがある

基本的にクライアント側となる周辺機器(小型デバイスなど)は互換性の低い"BLE"が採用されるケースが増えていますが、PCなどホスト側の機器の場合は、様々なBluetooth対応機器との接続を求められるため、Bluetooth SMART READYを選択したほうが無難です。

メリット

Bluetooth SMARTブランド製品と異なり、従来のBluetooth製品と互換性があります(接続可)